【越境EC/eBay輸出せどり】バイヤーが商品の受け取りや関税支払いを拒否した場合のeBayセラーの対応方法［完全解説版］

あなたはebayバイヤーが関税の支払いを拒否した場合の対応方法をご存じですか？本記事では越境ECのプロフェッショナルである著者が、eBayバイヤーが関税の支払いを拒否した場合の対応方法を解説させていただきます。

【越境EC/eBay輸出せどり】バイヤーが商品の受け取りや関税支払いを拒否した場合のeBayセラーの対応方法［完全解説版］

関税（輸入関税）とは？

関税（輸入関税）

関税とは、外国から輸入される商品に課される税金のことです。

国際貿易を通じて国内市場を保護し、税収を増やす目的で設定されています。関税は輸入品の種類や価値によって異なり、特定の輸入品には高額な関税が課されることもあります。

輸入国の税関が関税を徴収し、輸入者（バイヤー）が支払う義務を負います。例えば、米国では、一定金額(800ドル)以上の商品のみ関税が課される場合など国の関税制度によって異なります。

関税は誰が支払うのか？

関税は輸入される商品に課せられる税であり、輸入国のバイヤーが支払い義務を負います。

eBayなどの越境ECを利用する際には、eBayバイヤーが関税を負担が発生しますので、商品説明や取引メッセージで事前に通知することが重要になります。

適切な関税の情報提供や事前通知は、トラブルを防ぐ効果があります。

バイヤーが関税を支払わない場合、商品が税関で留め置かれる、または、返品され、その返送料として追加費用が発生する可能性があります。このため、出品者は関税に関する知識を持ち、適切な対応を行うことが求められます。

関税が発生する主な地域、国と金額の注意点

関税が発生する主な地域、国と金額を解説しています。

事前に関税を調べる方法

バイヤーから関税はいくらかかるのかと問い合わせがある場合があります。その場合は、以下のサイトをご確認ください。

JETROで仕向地の関税や輸出規制、手続き、小口貨物を調べる方法

JETROのサイトから仕向地それぞれの関税や輸出入手続き、小口貨物の関税を調べる方法があります。詳細は以下の解説動画をご覧ください。

関税トラブルのケーススタディ

高額品の受け取り、関税の支払いを拒否をされたケース［実例］

すみません。どなたか経験おありの方がいましたらアドバイス頂けると助かります。

今日、アメリカのバイヤーから、「関税は支払わない。荷物の受取拒否をして返送した」と連絡がありました。
発送前にバイヤーへ、関税がかかること伝えていましたが、なんの回答もなかったので不安に思ったのですが、
バイヤーの評価が45あったので、素人ではないだろう思って、見切り発車で発送してしまいました。
※売値は約40万です（仕入れは約25万）

クライアントから全体チャットへの相談

未着や商品の破損などのケースをオープンされてしまうケース［実例］

関税の支払いを拒否しておきながら、商品が未着であるや商品が破損しているとケースをオープンして、返金を求めてくるケースもありました。

ペイメント・ディスピュート（支払異議申し立て）[実例]

eBayプラットフォームでは無理そうだとバイヤーは理解したのでしょう。

ペイメント・ディスピュートは支払いの異議申し立てであり、不正利用などを理由にクレジットカード所持者がクレジットカード発行銀行に連絡して、決済が実在するものかを審査することになります。

どのケースであっても、関税は国際法上バイヤーが支払う責任を負っていますので、支払いを拒否した場合、セラーが代わりに支払う必要はありません。

それが各国の法律でありeBayの規則にも明記されています。返金を求めてクレームが来た場合、まずは堂々とこの原則をバイヤーに伝えましょう。eBayや自国の税関に直接問い合わせるように促すのもよいでしょう。

eBayバイヤーが関税の支払いを拒否した場合のセラーの対応方法

それでは本章ではebayバイヤーが関税の支払いを拒否した場合、セラーとしてどのような対応を行うのか解説させていただきます。

1. クーリエに対して関税拒否のメールを依頼する

関税支払い拒否の場合、基本的にはこちらは一切の返金義務はありません。ただし、商品が通関で保留されている間にバイヤーが未着のケースをオープンした場合、eBayセラーが未着の理由の説明や証拠を提出できないとケースで負ける可能性が非常に高くなります。

Fedexへ関税の受け取り拒否があったので、書面をくださいとメールでのやり取りを行います。

そして、その文面を全て保存しておいてください。

関税支払い拒否の証明書の発行については「書面等での案内は、紛失、破損、お客様へのご連絡なく返送等、弊社の過失でない限り、お断りしております。」と回答がきました。

本来であれば関税支払い拒否の正式な書面をFedexに要請し、Fedexが書面を発行していたのですが、ここ最近、Fedexが会社として公的な書面を出すことを拒否しており、書面を出してくれません。

そのためメールでのやり取りを英文に翻訳して証拠として提出する必要があります。

バイヤーが未着ケースをオープンした際にこれらを証拠として提出します。

DHLは現在のところ公式な書面は依頼すると出してくれますのでDHLの場合は問題ありません。

IEC内での情報共有

2. バイヤーへ連絡を行う

バイヤーに対して以下のメッセージを送信します。

関税を支払いたくないため受け取り拒否をしても、関税はバイヤーが支払う責任があり、各国の法律で定められています。

ebayではポリシーにのっとり、支払ったお金は返金されません。

関税を支払って、商品を受け取ったほうが良いと思います。

〇月〇日までに関税を支払って商品を受け取らない場合、商品は受け取れませんし、商品代は返金されませんので、その点ご理解ください。

3. レポートバイヤー / Report a buyerで通報する

怪しいバイヤーであるため、レポートバイヤー / Report a buyer機能でebayへ通報します。

4. eBay.comカスタマーサポートへサポート依頼を行う

関税支払い拒否のトラブルを解決するために、eBayカスタマーサービスをどのように活用できるかを説明します。

カスタマーサービスへの問い合わせ手順は、クーリエとやり取りしている英文メールをebayカスタマーサービスに証拠として提出し、サポート依頼を出します。ポイントはジャパンではなく、eBay.comへ連絡することです。

5. セラー保護で返金なしでケースはクローズされる

上記1～4までの対応を行えば、ほとんどの場合、セラー保護の対象となり、返金なしでケースはクローズされます。

未着ケースオープンされてましたが、USのカスタマーサポートにFEDEXからの英文で送ってもらった受け取り拒否の内容のメールを添付して送りました。

結果セラー保護で返金なしで閉じられました。

IECコミュニティ内情報共有

しかし、ケースで負けてしまう場合もあります。ケースで負けた場合の対応は最後の章に記載させていただきます。

関税支払い拒否のトラブルを未然に防ぐ方法

商品概要欄に関税に関する注意を記載する

商品概要欄に関税に関する注意を記載します。

Import duties, taxes and charges are not included in the item price or shipping charges.

These charges are the buyer’s responsibility.

Please check with your country’s customs office to determine what these additional costs will be prior to bidding/buying.(

輸入税、税金、料金は商品価格または配送料に含まれません。これらの料金は購入者の責任です。

入札/購入する前に、これらの追加費用が何になるかを決定するためにあなたの国の税関に確認してください。

商品概要欄

サンキューメールで関税を説明する

受注があった時に、サンキューメールを送信しますが、その時のメッセージのテンプレートに、上記の関税に関する注意点をリマインドとして記載します。

「関税はかかる場合がありますが、発送して大丈夫ですか？」とメールしておきます。

いくらかかるのかなどと返信があった場合は、事前に関税を調べる方法をご確認ください。

ショートメッセージ(SMS)へ送信する

返信がない場合は、eBayからショートメッセージ(SMS)でコメントを送信します。だいたいのバイヤーは気がつきます。

ネガティブフィードバックを付けられた場合やケースで負けてしまった場合の対応

eBayを続けていれば、関税トラブルなどはありますが、基本的には、セラー保護がありますので、大丈夫です。

ケースがオープンされたりすると、その分、審査の期間は長くなりますので、注意していきましょう。

ネガティブフィードバックがつけられた場合はeBay.comへ削除依頼を行う

関税の支払い拒否でネガティブフィードバックがつけられた場合は、ebay.comへ連絡して削除依頼をメールで送信します。

ほとんどの場合、削除してくれます。

2015年頃は、一時期、削除してくれない時期がありましたが、現在は、削除してくれます。

削除してくれない場合はFeedback Forumを活用する

ケースで負けてしまった場合でも主張を続けた結果、3か月後に返金分の補填がある場合がある

ケースで負けてしまう場合があります。

通常は、一度、判断がでているので、判断がくつがえることはありません。しかし、この場合、法律的には、バイヤー側がおかしいので、証拠をつけて、プラットフォーマーとしてのeBayの判断がロジカルではないと主張します。

3か月後くらいに、ebayがその返金分を補填してくれるケースがあります。僕は何度も助けられていますので、諦めずに主張していきましょう。

まとめ

いかがでしたか？本記事では越境ECのプロフェッショナルである著者が、eBayバイヤーが関税の支払いを拒否した場合の対応方法を解説させていただきました。是非、参考にしてください。