一般社団法人日本越境EC振興協会|eBay輸出

あなたはヨーロッパ向け発送でトラブルになるVAT(付加価値税)、IOSS番号についてご存じですか?本記事では越境ECビジネスの専門家である著者が、世界各国の消費税、GST、VAT、Sales Tax、現地徴収する国、代理徴収する国、税金コード、IOSS番号を解説させていただきます。

世界各国の消費税・GST・欧州のVAT(付加価値税)・IOSS番号の対応[完全保存版]

世界各国の消費税

世界各国の消費税は以下の分類されています。

✅ GST(物品・サービス税):オーストラリアやシンガポールなどでの呼称。VATに類似。
✅ VAT(付加価値税):欧州を中心に導入されている。
✅ Sales Tax(小売売上税):アメリカ。

GSTの国の税率

代表的なGSTの国の税率は以下の通りです。

国名税率
🇦🇺 オーストラリア10%
🇳🇿 ニュージーランド15%
🇸🇬 シンガポール9%(2024年~)
🇨🇦 カナダ5%

VATの国の税率

代表的なGSTの国の税率は以下の通りです。

国名税率
🇯🇵 日本10%、軽減税率8%
🇩🇪 ドイツ19%
🇫🇷 フランス20%
🇬🇧 イギリス20%
🇮🇹 イタリア22%
🇪🇸 スペイン21%
🇳🇱 オランダ21%

VATとは

VATは、Value Added Tax(付加価値税)の略称で、物やサービスの購買時に課せられる間接税です。

簡単に言うと、日本の消費税であり、EU加盟諸国だけではなく、EUに属さない欧州、アジア、北米など世界152カ国で導入されています。

EU加盟国の間で行われるビジネス取引、輸入、商品の移動が課税の対象であり、EU加盟国でVAT登録をした業者は、販売する商品の価格にVATを追加し、確定申告の際に国内の税務当局に申告します。

VAT(付加価値税)

VAT(付加価値税)について詳細を知りたい方はウィキペディアをご覧ください。

IOSS番号とは?

IOSS(Import One Stop Shop)とは、欧州で2021年7月に導入されたVAT(付加価値税)の申告制度であり、販売時に事前徴収したVATを、販売者側がEU加盟国の税務当局に納税する制度です。
IOSS制度は、EU域内の消費者に商品を販売する事業者向けの制度のため、個人間の贈答品などの発送には適用されません。

150ユーロ未満の貨物は、新たな輸入ワンストップショップ (IOSS) を利用して販売時に請求するか、または税関申告者が最終消費者から徴収するようになります。

ヨーロッパ&イギリスにVATの適用が始まった

150ユーロ未満のアイテムを売る場合、eBayがVAT分を自動計算して消費者に支払わせて、その預かったVAT分はeBayがEUに納めるようになりました。

イギリスに対しては2021年1月からVATの適用が始まりましたが、ヨーロッパに対しては2021年7月から適用が始まります。

£135及び€150以下の商品に対しては、eBayがVATを代理徴収します。

代理徴収する金額と代表的な国、現地徴収する国

EU:150ユーロ以上
イギリス:135ポンド以上
豪州:1000オーストラリアドル以上
アメリカ:800ドル以上 の場合に税金の現地徴収が発生します。

✅ 上記金額未満はebayが注文時にバイヤーから代理徴収します。

✅ 米国では800ドル以上で発生する輸入関税とは別に、Sales Taxという名称の州税(5-10%)が販売金額に関係なく徴収されています。

✅ ノルウェーやシンガポールはどんなに高額でもebayで代理徴収してくれます。

✅ カナダ、中国、イスラエル、中南米などは全て現地徴収です。

【重要】税金コードの記載に注意!

eBayで注文時にバイヤーが税金を支払っていれば、Order details に税金コードの記載があります。例)EU:IOSSで始まる番号、イギリス:GBで始まる番号、オーストラリア:ABNで始まる番号、など。

このコードがあれば、インボイス(住所2欄)に必ず記載(転載)するようにします。

コードの記載を忘れるとバイヤーに税金の二重支払いが生じます(100%トラブルになります)。住所2欄にスペースがなければ、インボイスの品名の横に記載しておけば大丈夫です。

ヨーロッパ向け発送の注意 欧州のVAT(付加価値税)・IOSS番号の対応

EU圏内向け150ユーロ未満の注文はVATのみ発生し、eBayが代理徴収するので、VAT Paid : IOSS - IM2760000742 という表示がOrder Detailsに表示されます。これを忘れずに住所2欄にそのままコピペします。

EUに売れた商品は、発送の際にeBayのIOSS番号をインボイス等に記載しないと、EUの消費者は2重にVATを払うことになり、トラブルになるので、必ず忘れないようにしてください。

EUにおけるVAT登録要件に関する重要な変更

EUにおけるVAT登録要件に関する重要な変更について詳細を知りたい方はeBayジャパンのEUにおけるVAT登録要件に関する重要な変更をご覧ください。

要注意!EU輸出に必要なVATとIOSSへの対応方法

EU輸出に必要なVATとIOSSへの対応方法について詳細を知りたい方は要注意!EU輸出に必要なVATとIOSSへの対応方法をご覧ください。

EORI番号

ヨーロッパ向け発送の注意点 EORI番号について詳細を知りたい方はEORI番号(事業者識別番号)とトラブル対応の解決事例をご覧ください。

まとめ

いかがでしたか?本記事では越境ECビジネスの専門家である著者が、世界各国の消費税、GST、VAT、Sales Tax、現地徴収する国、代理徴収する国、税金コード、IOSS番号を解説させていただきました。ぜひ、参考にしてください。