「海外輸出に興味はあるけれど、今から参入して本当に稼げるのか?」 「円安トレンドは続いているけど、実際の市場規模はどうなっているんだろうか?」これからeBay輸出を始めようとしている方にとって、市場の将来性は最も気になるポイントです。
結論から申し上げます。日本の商品を海外へ売る「越境EC」のチャンスは、2025年現在も拡大の一途を辿っています。
この記事では、公的機関のアドバイザーとして日々参照している経済産業省の最新レポート(2025年8月26日発表)のデータを紐解きながら、なぜ今、初心者がeBay輸出を始めるべきなのか、その根拠を分かりやすく解説させていただきます。
【2025年最新版】越境ECの市場規模は?中国よりもアメリカの理由、初心者がアマゾンではなくeBay輸出を始めるべき5つの理由
データで見る「国内EC」の現在地(2025年版)
経済産業省が2025年8月に発表した「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」によると、世界のEC市場は依然として右肩上がりです。
国内のEC市場全体は約26兆円規模、物販系カテゴリーは約15兆規模、CtoC市場は2.5兆円へと成長していますが、私たちが注目すべきはそこではありません。
2034年に越境ECの市場規模は約1,012兆円に成長する!
まずは世界の越境ECの市場規模を紹介します。
下記は2025年8月に経済産業省から発表された「令和6年度 デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」の表です。
日本円換算(2024年の年間平均レートの150.6円で試算)すると、152兆円から1,012兆円に成長することが分かります。
この金額は毎年の調査結果から増加しています。

日本・米国・中国 3 ヵ国間の越境EC市場規模
日本・米国・中国の3カ国間における越境EC市場規模は、いずれの国の間でも増加傾向にありますが、特に注目すべきは、「海外の消費者が、日本の商品をどれだけ買っているか」という点です。
中国と米国(アメリカ)の消費者が日本から購入している金額は4.1兆円を超えており、日本のCtoC市場の1.6倍の市場規模になっていることが分かります。
- 中国消費者の日本経由 越境EC購入額は 約2兆6,372億円
- 米国消費者の日本経由 越境EC購入額は 約1兆5,978億円
アメリカ人だけで、年間約1.6兆円もの日本商品をネット経由で購入しているのです。これは、日本の百貨店市場全体の売上規模(約5〜6兆円)と比較しても、無視できない巨大なマーケットであることが分かります。

なぜ「中国」ではなく「米国」なのか?
「市場規模なら、アメリカより中国の方が大きいのでは?」と思われた方もいるかもしれません。確かに、中国人による日本製品の購入額は依然として巨大です。
しかし、これから個人や小規模チームで輸出を始めるなら、圧倒的に「米国向け」をおすすめします。
2000年代には、世界の製造業とまで言われた中国に、日本企業は、安い労働力を期待してこぞって参入しましたが、中国市場から撤退する企業はあとを絶ちません。
中国向けの越境EC(天猫国際など)は、出店コストや法規制のハードルが非常に高く、大手企業向けの戦場です。 一方、米国市場は、個人でもアカウント開設が容易で、日本の中古カメラやアニメグッズ、伝統工芸品などが活発に取引されています。
| 項目 | 米国 | 中国(天猫国際など) |
| 市場規模 | 拡大中(約1.6兆円) | 巨大だが鈍化傾向 |
| 参入障壁 | 低い(個人でも可) | 非常に高い(法人必須・保証金高額) |
| 言語 | 英語(翻訳ツールで十分対応可能) | 中国語(言語だけでなく、商習慣の理解が難解) |
| おススメする層 | 副業・個人事業者・中小企業 | 業界トップ3以内の大手メーカー、資金力のある企業 |
Amazon一強時代に、あえてeBay輸出を選ぶ5つの戦略的理由
「アメリカで売るなら、シェアNo.1のAmazonの方がいいのでは?」 誰もが一度はそう考えます。しかし、ちょっと待ってください。 あなたが「大量生産された新品」を「大手メーカー並みの資金力」で売るならAmazonが正解です。 でも、もしあなたが「日本の質の高い中古品」を「小資金」で売りたいなら、Amazonは茨の道です。 なぜプロのバイヤーたちは、市場規模の小さいeBayを主戦場にし続けるのか?その「守り」と「攻め」の理由を公開します。
なぜシェアNo.1のAmazonではなく、eBayなのか?
一言で表現するなら、Amazonは「最安値を競う自動販売機」であり、eBayは「価値を伝えるアンティークショップ」だからです。
日本の中小企業や個人が「Amazon輸出」で戦おうとすると、高い確率で資金ショートやアカウント停止に追い込まれます。その5つの理由を解説します。
1. 「カタログ型」vs「出品型」の構造的違い
- Amazon(カタログ型): 1つの商品ページに複数のセラーが相乗りします。顧客は「カートに入れる」ボタンを押すだけなので、結局は「価格が一番安いセラー」だけが売れます。つまり、資本力のある大手が有利な不毛な価格競争(レッドオーシャン)に巻き込まれます。
- eBay(出品型): 出品者ごとにページが独立しています。写真の撮り方、説明文、セラーの評価によって、「他より高くても、信頼できるあなたから買いたい」という差別化が可能です。これは個人が利益を確保するために不可欠な要素です。
2. 「Used in Japan」との相性
- 日本のセラー最大の武器は、カメラ、釣り具、ブランド品、ゲームなどの「中古一点物」です。
- Amazonは新品販売がメインで、中古一点物の画像掲載や状態説明の自由度が低く、高値で売るのが困難です。
- 一方、eBayはもともとオークションサイトから始まっているため、「中古品のコンディション」にこだわるコレクターが世界中から集まっています。この層こそが、日本のセラーのお客様です。
3. アカウントヘルスのリスク管理(サスペンド問題)
- Amazon: AI(ボット)による監視が極めて厳格です。真贋調査(本物かどうかの証明)などが突然入り、理不尽にアカウントが停止され、売上金が数ヶ月没収されるリスクが常にあります。
- eBay: もちろんルールはありますが、イーベイ・ジャパンのサポート(セラーポータル)が存在し、人間味のある対応が一定程度は期待できます。特に初心者が失敗しやすいフェーズでの寛容さはeBayの方が上です。
4. キャッシュフロー(資金繰り)
- 初心者の生存率を分けるのは「現金化のスピード」です。
- eBay Managed Payments(マネージド・ペイメント)は、発送して比較的早い段階で資金を受け取れますが、Amazonは引当金(Reserve)として売上の一部が長期間保留されるケースが多く、資金の少ない個人には大きな負担となります。
5. バイヤーのニーズが違う
- Amazonのバイヤー: 「トイレットペーパーや洗剤を、明日までに安く届けてほしい」=利便性と安さを追求します。
- eBayのバイヤー: 「日本ではもう売っていない、あのレアなフィギュアが欲しい」「状態の良いヴィンテージカメラを探している」=「探す楽しみ」と「希少性」を追求しています。
- 我々が提供できるのは「希少性」です。Amazonの客層とはマッチしないのです。
よって、個人のスモールスタートは、あえて戦略的にeBay輸出を選択するのです。
なお、気になる東南アジア市場については、別の機会に調査結果を記事にさせていただきます。
まとめ
いかがでしたか?本記事では、越境ECの市場規模、日本・中国・米国の市場規模の予測結果、ならびに、なぜ初心者は中国ではなく米国を目指すべきなのか?アマゾン輸出ではなくeBay輸出を目指すべきなのか?公的機関アドバイザーがデータの読み解き方と参入メリットを分かりやすく解説させていただきました。ぜひ、参考にしてください。




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